
ニキビ跡治療が大々的に変わるのは今回が初めて?
とくに問題になるのは廃棄物の処理過程でダイオキシンを発生する膨大なメディカルプラスチックス(医療用高分子材料)と感染性廃棄物です。
人工臓器から創傷被覆材、カテーテルチューブ、輸液バッグ、血液バッグ、手術用不織布、手術用ゴム手袋、吸収パッド、注射器、アンプルまで、メディカルプラスチックスは、一九九九年で一兆円をこえる巨大市場(二〇〇三年には一兆五〇〇〇億円と予測される)を形成し、年間一七万トンものプラスチックが使われています。
感染性廃棄物には血液・血清・血祭、血梁製剤、摘出された臓器・組織(胎盤や嬰児も廃棄されている)、注射針・メス・試験管・シャーレ、病原微生物が付着した試験器具・培地・実験動物の死体、脱脂綿・ガーゼ・包帯、透析器具など、じつにさまざまなものがあり、院内感染や処理・清掃業者の負傷や感染の原因になっています。
必要にせまられておこなっている医療行為の結果として、このようなものが年間四〇万トン以上も廃棄されているのです。
こうした危険な廃棄物を出しつづけなければ維持できないような医療は、とうてい持続可能な医療とはいえません。
生命力・自発的治癒力への敬意を忘れ、環境への配慮を忘れて、自然を意のままに支配しょうとする医療は、有害廃棄物を出しつづけなければ維持できない時代おくれの産業とおなじで、永続するはずのない、刺那的な活動だといわざるをえません。
そして、効率を優先するその場しのぎの対症療法は外部の自然環境を汚染するだけではなく、人体という内部の自然をも汚染する危険性をひめています。
患者側からすれば、薬害や過剰な手術・放射線などによる生命活動への侵襲、および臓器をみて人をみない医師側の視線がもたらす疎外感・不信感(これも生命力=自発的治癒力の発動を阻害する)という直接的な危険と、医療廃棄物による外部環境の汚染から波及する二次的・間接的な危険という、二重の危険にさらされていることになります。
人体が開放系のシステムである以上、内部環境と外部環境は原理的に切り離すことができないのです。
「代替医療はなぜ効くのか」という設問は、じつは「代替医療はどう効くのか」「現代医学はどう効くのか」という設問のダミーだったことが、これでおわかりいただけたとおもいます。
代替療法の複雑性代替療法の分類法には、まだ国際的な統一見解ができていません。
それぞれの国の医療事情や文化の固有性、分類の目的などによって、その分類原理にはじつにさまざまなバリエーションがあり、統一を困難にしています。
その困難さそのものが、あまりにも多種多様であり、すっきりとした分類を許さないほどに複雑である代替医療という世界の特徴をよくあらわしているともいえそうです。
たとえばつぎのように、ごく大づかみに分類してみるとします。
伝統医療とシャーマニズム
西洋医学に対抗的な医療体系
広義の民間療法
その他の心身相関療
「伝統医療とシャーマニズム」には、中国医療(薬物療法=漢方薬、物理療法=鍼灸、手技療法=膏摩、運動/エネルギー療法=気功)、インド医療(アーユルヴェーダ、ヨーガ医学)、チベット医療、イスラム医療などの「大伝統医療」と、世界各地に残っている呪術・巫術など、「小伝統医療」としてのシャーマニズム、および現代によみがえったネオ・シャーマニズムがあげられます。
一九世紀から二〇世紀初頭にかけて、近代医学に対抗してあらわれた比較的新しい医療体系で、ホメオパシー、オステオパシー、ナチユロバシー、シュタイナー(人智学)医学、カイロプラクティックなどがそれに相当します。
それらのほとんどは当該の国家から認知され、専門の高等教育機関をもっていて、そこを卒業して、公的な資格をもつ治療家によっておこなわれるのがふつうです。
「広義の民間療法」には、個々の療法の紹介だけで何冊もの本が必要になるほど膨大な数のものがふくまれます。
そのカテゴリーだけをあげておけば、食事療法、断食療法、小食療法、サプリメント(健康補助食品)、機能性食品といった「食」にかかわる療法、温泉療法や水療法、タラソ(海水)セラピーなど、「水」にかかわる療法、温熱(温灸)療法、冷却療法など、「温度」にかかわる療法をはじめ、ハープ療法、フラワーレメディ、解毒療法、光線療法、磁気(磁場)療法など、それなりの歴史があるものがその代表にあげられます。
それ以外に、アミグダリン(ビタミンB17、レートリル)やヨード療法など、非正統的な薬物療法、リンパ球療法、蓮見ワクチン、丸山ワクチンなどの非正統的な免疫療法(帯津博士は尿療法もここに分類しています)など、比較的新しいものがあります。
「その他の心身相関療法」にもおびただしい数の治療法がふくまれます。
これ滝カテゴリーだけをあげてみれば、サイコセラピー、ボディワーク、手技療法、アートセラピー、アロマテラピー、エネルギー療法、アニマルセラピー、音響療法、色彩療法、呼吸法、瞑想法、心霊治療、信仰治療などとなり、その下位に多様なバリエーションがあるわけです。
以上のうち、非正統的な薬物療法や免疫療法はいまのところ、現代医学の標準的な療法ではありません。
しかし、その理論はおおむね科学にもとづくものであり、いわゆる「非科学的」とされる民間療法に分類するのはふさわしくないのですが、医学の保守本流から認知されていないという意味で、便宜上、「広義の」という逃げ場のなかに入れておきました。
サプリメントのなかにも「科学的」なものはたくさんあり、その多くは「食」に分類するよりは現代医学の薬物療法に分類したほうがわかりやすいものですが、法的に「補助食品」と指定されているところから、ここに入れておきます。
このように、代替医療の分類はつねに例外や重複、逸脱を生み、便宜的なものにならざるをえません。
尿療法ひとつとってみても、伝統医療、シャーマニズム、「食」、「水」、非正統的な免疫療法のいずれにも分類することが不可能ではなく、明快な割り切りができないのです。
伝統医療の一部である食事療法・エネルギー療法・解毒療法なども、それだけで独立して開業すれば、りっぱな民間療法になり、広義のハーブ療法には中国やインドの伝統医療における生薬療法がふくまれ、民間療法とはいいがたいという一面をもっています。
魔法の弾丸という虚妄さて、代替医療のもっとも簡潔な定義は「現代医学以外のあらゆる治療法・健康法の総称」でした。
そして、数ある代替療法のなかから、科学の規準に照らしてその作用機序に合理性が証明されたものを順次採用し、たとえば生薬の主成分を合成するなど、近代的な装いに変容させて利用してきたのが現代医学の歴史であるということも知られています。
いまでも、たとえば一部のサプリメントや非正統的な薬物療法・免疫療法を用いる医師の数は着実にふえていて、その分野では現代医学と代替医療との境界線があいまいであり、それらが現代医学に採用される日は遠くないかもしれません。
だとすれば、代替療法の数はしだいにへっていってもおかしくないはずなのですが、歴史をみると、事実はその逆であることがわかります。
新しい代替療法はつぎからつぎへと生まれ、その数は、時代をへるにつれて確実にふえつづけているのです。
逆説的にもみえるこの現象が意味するものは、いったいなんなのでしょうか?それは、古代ギリシャ以来、中世・近代をつうじて、医学を志す者の理想だとされてきたパナシーア(万能薬)やマジックブリット(魔法の弾丸)がいたずらな幻想でしかなく、そもそもこの世にはあらゆる病気や苦痛を癒す「単一の医療体系」など存在しないのだという、ごくシンプルな事実をあらわしているようにおもわれます。
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